会社帰りにこのニュースを読み、私はとても驚いた。
内容は良い。
単純に、昨日放映された番組の内容が記述されていて、書いてあることのほとんどは事実を述べているだけだ。
私が驚いたのはこの一点。
「許せない」「あのルックスで...」「なんでモテるの?」
とバッサリ斬りまくるのだった。
いやいやこれ、何も斬れてないよね?
『バッサリ斬る』という表現
斬れてない理由を考える前に、そもそもテレビ等でよく使われる『バッサリ斬る』とはどういう意味か整理したい。
私としては
- 良くないこと、間違ったことをした人間(相手)に対して
- その道に詳しい人間(斬る側の人)が
- 論理的、倫理的、道徳的な間違い・悪さを指摘して
- 相手の行動や、相手自身を批判する
というものだと考えている。
ほとんどの場合、斬る立場の人間はその道に詳しい専門家であることが多い。
そしてまさに刀を使って一刀両断するイメージで、相手の反論する隙を与えないよう、しっかりと論理で固めた意見を元に、相手の立場や意見を斬りつけていくこと。
これが本来のバッサリ斬るである。
本当に『バッサリ斬れている』のか?
まずは上記の記事を流れに当てはめる。
- 6股疑惑などをやらかした狩野英孝に対して
- 島崎遥香(ぱるる)が、自身の持つレギュラー番組で
- 『何らかの発言を持って』
- 嫌悪感を表して批判した
1、2、4は事実としてハッキリしているため、重要なのは3の『間違い、悪さを指摘する』という部分の理由付けがしっかりしていたかどうかである。
今回は番組の中で島崎が使った「許せない」「あのルックスで...」「なんでモテるの?」という3つの発言を元に、本当にバッサリ斬れたかどうかを判断する。
1.『許せない』
これははまあ分かる。
確かに、狩野英孝が相手の女性に隠して6股をかけていたのであれば、(日本の倫理的には)あまり許される行為じゃないのは確かだ。
見方によっては島崎遥香が世の中の女性の言葉を代弁したものとも取れる。
この発言だけでバッサリ斬れた訳ではないが、この主張は正しいと言える。
2.『あのルックスで…』
これは明らかに何も斬れていない。
なぜなら、今批判したそのルックスで狩野英孝は既にモテてしまったからだ。
番組は見ていないが、普通に考えると『あのルックスでどうして6股もできたのか分からない…』と続く言葉だろう。
だとしたら、この発言から推測できる事実は以下の2点だ。
- 狩野英孝はルックスは悪い(かもしれない)が、6股をかけられる程、女性を虜にする何かを持っている
- 島崎遥香は男をルックスで判断する人間である
これらの事実を見て、あなたは2人にどんな印象を抱くだろうか。
少なくとも私は、『狩野英孝ってそんなに魅力がある人間だったのか』とイメージがちょっとプラスになったのに対し、『島崎遥香はルックスで男を判断する人なんだ…』と、私のぱるるイメージは確実にマイナス方向に振れてしまった。
これでは相手を斬ろうとして自分が斬られてしまったのと同じだ。
3.『なんでモテるの?』
これは狩野英孝がなぜモテたのか、その原因が分からないことに対しての言葉だ。
本来であればここからは「なぜモテたのかの議論や検証」が始まるはずだが、記事から察するに番組内でこの先の話が深まった様子は見られない。
ということは、この発言は島崎が相手を斬ることを放棄した証であり、やはりこれも狩野英孝を斬るには至っていないことが分かる。
まとめ
これらを総合した結果
『島崎遥香による発言では誰も斬られておらず、むしろ自分のイメージをマイナスにする可能性のある余計な発言をしただけであった。』
というのが私の辿り着いた結論だ。
ちなみにこの記事を書いて「『バッサリと斬る』タイトルのニュース記事を逆にバッサリ斬ってやったぜ!」思った私は、喜び勇んで妻に報告した所『お前それ、ニュースの見出しに釣られただけだろ』と自分がバッサリ斬られる結果となった。
どうしてこうなった。