まさおまっさお

おいまさおがんばれまさお

読書感想文「嫌われる勇気」 自分はいつだって変えられる。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

読み終えて数日経った。

 

それでも結構しっかりと内容を覚えているのは、読みながらメモしたおかげと、ふとした時に思い返していたからだろうか。

 

今回は「嫌われる勇気」という本の、個人的まとめ。

 

 

目次

 

 

1.アドラー心理学の要点まとめ

本を読んで「私が読み取ったアドラー心理学」の要点をまとめ、ついでに感想を述べていく。

 

要点1. 未来は自分で選び取るものであり、過去で決まるものではない

これは、本の最初で触れる部分。

 

例えば自分が、誰かに嫌なことをされて怒ったとする。その時、その行動は「嫌なことをされたから怒った」のではなく「怒る目的があって怒った」と考える。

 

ここでいう怒る目的とは「相手との関係を切りたい」、「相手と一時的に距離を置きたい」、「自分のストレスを発散したい」など、怒ったことによる効果を指す。

 

つまり、人間の行動には必ず目的があり、その目的を達成するために自分で行動を選択しているという考え方だ。

 

本書はこれが根底にあるため、今までどんな生き方をしてきたかに関係なく、「人は、変わりたいと思えば変われる」という考えも含まれている。

 

 

これについてはその通りだと思う。

私は今、もっとお金持ちになりたいが、大した大学は出ていない。というか進学は専門学校だったから、学歴は低い。

 

しかし、今からの気持ちと行動次第でどうにでもなると思っている。現に少し前までブログも続けられなかった私は、今こうしてブログを書き続けているし、平行してお金の勉強も継続できている。

 

人間は思ったより凄くて、なりたいと思えばそうなれる力を持っているはずだ。  

私は昔から、それを信じている。

 

要点2. 自分と他人を分けて考え、他人を変えようとしない

「なりたい自分になる」ことは本人の意識と行動でどうにでもなる。

 

しかし、他人を変えることはできない。

 

アドラー心理学では、「自分」と「他人」を明確に線引きしていて、それは親子や夫婦、親戚だろうと一切関係なく、自分か、否かで判断される。

 

こうして分けられた「自分」は、「他人」を変えることはできないと捉え、自分の課題は自分のもの、他人の課題は他人のもの、という「課題の分離」の考え方によって、世の中の問題をシンプルに整理する。

 

子供に「勉強しなさい」と言うことはできても、実際に勉強するかどうかは子供次第。「他人の意識を変えさせるためにアドバイスする」というアドバイス罪も同様に、言われて変わるかどうかは本人次第。

 

これらの行動は、相手を変えようとして他人の考えに土足で踏み込んでいる状態であり、アドラー心理学ではこのような行為は推奨されない。

 

問題は基本的に自分の中で解決すること。そして、自分の身近な人が変わりたいと思った時には、変わるための援助ができることを良しとしている。

馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない。

(本文より引用) 

 

 

最終判断権がその人自身にある、というのは事実だし、他人にできるのは、その人が行動し易い環境を用意することだけだ。

という訳で、この話についても結構納得できた。

 

要点3. 自分が信頼を置ける「貢献したい共同体」を見つけ、その中で他者貢献できている認識を持つ

後半で出てくる「共同体感覚」という考え方。

 

人間は、家族、会社、地域、日本、地球、そして宇宙と、色々な共同体に所属している。それらの中で、自分が信頼を置くことができて、貢献したいと思える共同体を見つけることが必要だ。

 

共同体感覚を得るのに必要な要素は、自己受容、他者信頼、他者貢献の3つ。

 

自己受容とは、自分が操作できる唯一の存在である「自分」を受け入れ、できること・できないことがあるのも含めて自分なのだと受容すること。

 

他者信頼とは、信頼できる相手を見つけること。 

信用と信頼は別物であり、信用とは「条件付きで信じること」で、信頼は「無条件に信じること」。つまり、他者信頼とは同じ共同体に所属する他人のことを心から信じ、安心して居られる状態にあることを言っている。

 

要点2にもある通り、他者の考えは他者次第。ゆえに他者が自分を騙さないかどうかも「他者次第」なので、そこを自分が変えることはできない。ただ、自分が関わりたくない共同体がある場合、その関係を切ってしまえば良いと考える。会社や学校でいえば、それを辞めることで実現する。

 

そしてこの2つと合わせて他者貢献の意識を持つというのが3つ目。

これは、「自分は共同体のために貢献できている」と信じ込むこと。例えば「日本」という共同体を意識するなら、自分が実家暮らしで働いてないとしても「食事を消費するという行為で、消費活動を通して社会に貢献できている」と考える。

 

以上の3つの視点を全て身に付けて初めて、アドラー心理学の考えが成立する。

 

 

個人的には「他者信頼を切ること」が一番難しいんじゃないかと感じる。それは大抵の場合、切ることによって発生するマイナス面も大きいからだ。

 

ただ、アドラー心理学的に言えば「共同体の所属を切れない」というのはつまり「その共同体に居たい目的がある」ということになる。確かに、関係を切れない理由は本人が持っている可能性が高い。

 

なので矛盾はしていないが、実際の行動に移すには難しい所でもある。

 

2.読書前の考えとの比較

本を読む前に前評判だけで少し記事を書いたので、その内容と、実際に本に書かれていたことを比較してみる。

 

【過去記事】アドラーさんを買ってきたので、事前に思っていることを書き遺す

 

読書前の考え1. 「孤独」とは何か

孤独について直接は触れられていなかったが、要点2で述べた通り「自分と他人を分ける」という考えが前提にある。

 

いうなれば「人類みな孤独」ということだ。

しかし、アドラー心理学では「常にどこかの共同体に所属し、他者貢献している意識を持て」と言っているため、これができていればそもそも孤独を感じることは無い。

 

つまり、孤独感を感じるかどうかは「自分の捉え方次第」という話になる。

 

これもまた、理論としてはわかるが、なかなか難しい。

 

読書前の考え2. 「承認欲求」との付き合い方

上記の記事で、私はこう言っていた。

私個人としては、承認欲求は仕方のないものであり、「欲求自体を批判しなくても良いのでは?」と考えている。

アドラー心理学では、承認欲求は悪だとされている。それは他人の評価という「自分で動かすことの出来ないもの」を求めているからだ。

 

確かに「承認欲求がある」ということは、自分で行動する時に他人の評価を期待している、という意味にも取れる。しかし、「承認されて喜ぶ」という感情自体は自然なものであり、それは悪いことではない。

 

だから私は今でも「適度な承認欲求は持っていても良い。ただし、自分の行動を決める時に承認を目的とするのは良くない。」と認識していて、事前に考えていたことは結構正しかったと思っている。

 

3.気になった言葉3つ

概要とは別に、個人的に気になった言葉を3つ挙げる。

 

気になった言葉1. 「自己肯定」と「自己受容」

私は、自分のことを好きかと言われたら大好きだと答える。

 

これについては昔から、それこそ小中学生くらいから変わらない。「ナルシストなのかな」と不安に思ったことはあるが、それで周りに迷惑をかけたこともないので深く考えずにいた。

 

今回の本では「自己肯定」と「自己受容」という言葉が明確に区別され、推奨されているのは自己受容の方だ。

 

自己肯定は、できもしないのに「俺はできる」と無理やり信じこむこと。確かにこの傾向が強いと、無謀な行動に出てしまったり、自己中心的な考えになってしまう。

対する自己受容は、仮にできなくても「できない自分」を受け入れ、どうにかできるようにしようと行動すること。

 

これを読んで、私は今まで「できない自分を受け入れる」ことができていた、つまり自己受容を自然と行ってきたのだと気づいた。

悪いことではなさそうなので、このまま継続しようと思う。

 

気になった言葉2. 「子供は、私達より前を歩いている」

前に書いた記事で、私は同じようなことを言っていた。

 

【過去記事】私たちは、将来ユーチューバーになる子供たちに何を教えられるのか?

 

私達大人は、子供の後ろを歩き、支えていく立場にある。

 

そもそも生まれた時期が違う。時代は常に進化しているのだから、進化した環境で育った子供たちは私達よりももっと先に進めるはずだ。

だから、「大人の良いと思う通りに育てる」のではなく、子供の言葉にも耳を傾け、一緒に生き方を考える必要がある。

 

・・・と前から思っていたので、この本に出てきた「子供は、私達より前を歩いている」という言葉には凄く同意できた。

 

気になった言葉3. 「今、聞いてよかった」

最後の章で、心理学者: 哲人の話を聞く青年が「あと5年早く聞いていれば・・・」とつぶやき、哲人が「今のあなただから響いたんだよ」と諭すシーンがある。

 

これはアドラー心理学とは直接関係ないが、この記事の話と似ている。

 

【過去記事】自分の謎について。「いまさら」という言葉でテンションが上がる。

 

たとえ「いまさら?」と言われることがあったとしても、それは「今ではもう遅い」のではない。逆に「今だからこの行動を取れているのだ」 と、過去の自分の行動も含めて受容する考え方をしている。

 

これは「自己受容の考え」 + 「未来は自分で選び取るものだという意識」なので、アドラー心理学的には正しい考え方だと思われる。

 

といったように、過去の私の考えとかなり近い話が沢山出てきたので、私はこの本が凄く身近な内容に感じた。

 

おまけ:本に出てくる「青年」の印象について

  1. 最初はグダグダ文句言い過ぎでうぜーって思った。
  2. 途中から、やたら論理的で理解が速く、やたらと議論したがってくるのが可愛く見えてきた。
  3. そして後半「先生に論破されたいのかもしれません」とデレ始める。 
  4. 最終的には言いくるめられて完全にデレ化した。

 

個人的には、2段階目で止まっていればこのキャラが好きになったのだが、後半にいくにつれてまたちょっとずつウザさが出てきてしまった。

 

わりとどうでもいい話。

 

まとめ

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

個人的評価:★★★★(4/5)

 

自分の考えと近いところが多く、個人的には受け入れやすい内容だった。

 

しかし、本の中で「受け入れて行動するのには今までの人生の半分の時間かかる(30歳の人なら、15年)」と言われるほど、人によっては受け入れ難い理論らしい。つまり、受け入れられない人にとっては読みにくい可能性があるので注意。

  

また、この本は「行動する方法を教えてくれる本」というよりも「心理学としての理論の説明をしてくれる本」といった印象が強い。だから今思い悩んでいる人がこれを読んだとしても、すぐに何かするのは難しいように感じた。

 

ただ、対談形式で読みやすく、説明も分かりやすいので、アドラー心理学について詳しく知りたい人はぜひ読んでほしい。

 

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「悪い本に出会うことが少ない」と感じるのは、自分が読んだ本の良いところをちゃんと見つけられている、ということだろうか。そうだと良いなぁ。

 

読書感想文書くの楽しいかもしれない。

 

やはりいくつになろうと、自分を変えることは、可能だ。